2003年7月分

音楽雑記帳

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7月31日(木) 肌の色と売れ具合

発売後一月半以上経ってしまいましたがLed Zeppelinの「伝説のライヴ(HOW THE WEST WAS WON)」3枚組CDをほぼ聴き終えました。

ほぼ、というのは長尺メドレーもの2曲だけはまだ聴いていないからです。

全般的に演奏は同時に発売された映像作品に収録されているものより完成度が高いと感じました。

約30年前に録音されたこの作品が全米チャートで1位になったそうで、彼らの音楽には普遍性があるのですね。

彼らの音楽は、特に初期の2枚のアルバムで顕著なように黒人音楽に大きな影響を受けています。

楽曲によっては影響を通り越してそのまんまいただきというものもありました。

影響を受けた彼らに、はたして黒人音楽に対する今で言う「リスペクト」があったのかどうか、黄色人種である私には判断できません。

かつてアース・ウインド&ファイアーが商業的に大成功をおさめていた頃、リーダーのモーリス・ホワイトのインタビューを読んだ際に強く印象に残った話がありました。

曰く「もし私達が白人であったらレッド・ツェッペリン以上に成功していただろう。」

という発言です。

人種差別問題にとどまらず自分達の文化を利用された悔しさもあったのだと今にして思います。

先日自伝映画も話題になっている白人ラッパー、エミネムのインタビューをある雑誌で読みました。

曰く「俺が黒人だったら今の半分も売れてないだろうよ。」

ふぅ~っ。

この30年間、アメリカ合衆国国民の人種に対する意識はまったく変化していないようです。

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7月26日(土) 夏だ!レゲエだ!<短絡だ!

私はレゲエが当初「レガエ」と呼ばれていた頃から興味はもっていたもののその後も深くはまった者ではありません。

それでもウェイラーズの最初のライヴ盤が出た時には衝撃を受け何度も繰り返して聴いていましたし、それ以前やそれ以後の彼らのアルバムも何作かは聴きました。

レゲエがブームになっていた頃には「ハーダー・ゼイ・カム」と「ロッカーズ」の2本立てを自由が丘の映画館で見たことも思い出しました。(館内で当時ツイスト現ハウンドドッグの鮫島氏を見かけたなぁ)

そんな私が前記ライブ盤以上にアナコンダ(古)聴き込んだ作品がブリティッシュ・レゲエMATUMBIの「7つの封印(SEVEN SEALS)」です。

イギリスの若者達が怒っていた今から25年前にどうやってこの作品と出合ったのかは忘れてしまいました。

10年程前に帰京した際にタワーレコード渋谷店でこのアルバムがCD化されているのをみつけたのですが買いませんでした。

これからいつでも買えるだろうと高をくくっていたのです。

が、その後二度とみつけることはできませんでした。(泣)

先日地元のタワーレコードで「EMPIRE ROAD the best of MATUMBI」というCDが1,690円という廉価で売られているのをみつけました。

少々迷いましたが「7つの封印(SEVEN SEALS)」に収録されていた楽曲もほとんど入っていたので結局買いました。

で、聴いてみた結果、益々「7つの封印(SEVEN SEALS)」のCDを買わなかったことを悔やみました。

初めて聴く同作に入っていなかった楽曲はどれも駄作だと感じました。

そんな曲を入れるくらいなら「7つの封印(SEVEN SEALS)」の楽曲を全部入れろ!

と、ちょっと腹立たしく思います。

私の場合はアマゾンでこのベスト盤のレビューを書いている方のように「一応満足」とはなりませんでした。

手元にある「7つの封印(SEVEN SEALS)」のアナログ盤の中からその名もレゲエワンポイントシールというアイロンプリントが出てきました。時代を感じさせますね。


レゲエワンポイントシール(jpg,20.3k)

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7月19日(土) 拮抗からくる緊張感

半年近く前に買ってパソコンで時々拾い見していたDVD作品を専用プレーヤーで再生してヘッドフォンで聴きながら初めて通して鑑賞しました。

YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の「Visual YMO: the Best」です。

いわゆる打ち込みの自動演奏にテンポを合わせて演奏し、そこに肉感性を加味する点が彼らのライヴの魅力だと私は思っています。

今回改めて見て、機械対肉体の緊張感に加えて、当時のシンセサイザーがまだまだ不安定だったことからくる緊迫感も結果として良かったのだと感じられました。

そんな私にとって80年までのサポート奏者の助けを借りて演奏されている楽曲群は、音質や映像処理に多少の不満はあっても存分に楽しめるものとなっています。

が、一転して81年の新宿コマ劇場公演以降のライヴは面白くありません。

確かこの頃に細野氏がインタビューで「ライヴでテープを使うようになって楽になった」と語っていたと記憶しています。

演奏している方は楽になったかもしれませんが見ている方はつまらなくなります。

と私なら思うのですが、当時の聴衆が流行に流されていたためなのか、別にテープでもいいじゃん、という雰囲気が漂ってます。

歌謡ヒットねらいの「君に、胸キュン。」のビデオ・クリップではメンバー3人ともがやけくそになって開き直っているようにしか見えません。

もしや彼らは本心では「テクノデリック」で活動を終えたかったものの、周囲から商業的成功を強制されていたのでしょうか。

実質的に彼らの最後のアルバムになる「サーヴィス」で一応のけじめをつけてくれたのは、この作品の題名通りファンに対する彼らのせめてもの心尽くしかもしれませんね。

終わり良ければ全て良し、とは思いませんが。

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7月14日(月) 録画内容には未練あり

ベータのビデオテープを同じくベータのビデオデッキとともに処分したお話を先日「さらばベータよ」に載せました。

ベータマックスというビデオ規格自体に対してはまったく未練はないものの廃棄したベータビデオに録画されていた内容となると話は別です。

ライブ・エイドとアトランティック40周年コンサートで代役ドラマーを起用して往年のレッド・ツェッペリンを再現しようと試みられた演奏も録画していました。

もっとも先月本家(?)による素晴らしいライヴ映像作品が発売された今となってはもはやそれらの価値は薄れたようにも思いますが。

私がもっとも心残りなのは、(最近ベスト盤は発売されたようですが)今は何処かへ行ってしまっているスティービー・ワンダーが80年代に2回来日した際のコンサート映像です。

それぞれの来日公演がテレビで放映され、どちらも素晴らしい演奏だったのでかなり繰り返して見ました。

特に「パートタイム・ラバー」がヒットしていた後の方の日本公演で演奏された「I WISH」の最後の方の連続ブレイクには意表をつかれましたっけ。

ユッスー・ンドゥールを初めて知ったジャパン・エイドは2日間に渡って深夜に全編放送されたのを予約録画しました。

ユッスーの口打楽器と打楽器奏者とのリズムのかけ合いに呆気にとられて一発でファンになってしまいました。

LDでダイジェスト版が出ていましたがDVD化はされるのでしょうか。

同時期に確か同じくセネガルのバンド、トゥレクンダ(だったか?)がサザン・オール・スターズと共演していましたがこちらの方はピンとこなかったことも思い出しました。

そのサザンの桑田氏とユーミンが組んで作った危ない内容のためか2回で打ち切りになったクリスマス特別番組は笑わせてくれたなぁ、、、

冨田勲先生がフェアライトを使って音作りに関して講義してくれた番組は勉強になったなぁ、、、

完全ノスタル爺モードに入ったのでここまでにします。長文失礼しました。

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7月1日(火) 丁度よい長さの演奏時間

前作はあまり聴き込まなかったsteely danの新作アルバム「everything must go」は傑作です。

DVD付きのリミテッド・エディションの発売が遅れて2週間余計に待たされてしまいました。

それにしても全曲素晴らしく外れがありません。

LPアナログ盤を意識したのかどうか分かりませんが、演奏時間の合計が丁度アナログ盤両面と同じくらいになっています。

聴く際に集中するしないにかかわらず、このくらいの長さが丁度よいと感じるのは彼らの音楽性のせいでしょうか。

初めて聴いた時に続けてもう1回聴いてしまいました。

BGMとして聴いても邪魔にならないと思います。

おまけのDVDを見た方が良いかどうかは微妙なところです。

歌詞の内容を把握してからもう一度見て判断することとしましょう。

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