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死ぬかと思った

No.204(2016.07.14)


表題としたフレーズは日常会話において比喩的に使われることが多く、本来の意味での体験は非日常かつ稀な出来事だと言えるでしょう。

先日のこと、生まれて始めて実際に危うく死にかける状況に直面しました。

平日には道路の交通量が非常に少ない当地で、車を運転してのんびりと帰路についていた時のことでした。

200メートル位先の割ときつい右カーブから対向車が走ってくるのが見えました。

その車はカーブを曲がり切るなりセンターラインを大きくオーバーしました。

目視では時速50キロくらいで走行していたことからカーブ前の減速不足だろう。

と思う間もなくセンターライン上をそのままの速度でフラフラ蛇行しながらこちらに向かってきます。

その様子が尋常ではなかったので、私はとっさに車を道路左に寄せて停車しました。

対向車は不安定なハンドル操作のままセンターラインを越え、こちらの車線に入り込みつつ接近してきます。

私は他になす術がなく、クラクションを鳴らし続けました。

数秒後、対向車の運転手がメタルカラーのサングラスをかけた30歳前後の男性だと近視の私でも見分けられる距離まで近づいた時です。

その男性がハッとしたように背筋を伸ばしたのが見えました。

即座にハンドルを切るやいなや、私の車の横を猛スピードで通過しつつクラクションで合図して走り去りました。

梅雨の中休みに猛暑が続いた日の午後3時頃のことでしたから、おそらく居眠りでもしていたのでしょうね。

危険を察知してから回避するまでの間、10秒もなかったように思います。

もしも私がクラクションを鳴らし続けていなかったら正面衝突事故となり、私は良くて重傷下手すりゃ即死だったと考えられます。

後になって、私が二日酔いや寝不足で判断力が鈍っている時じゃなくて幸いだった、とつくづく思いました。

ここ数年ニュース報道で高速道路での車の逆走による事故をしばしば耳にします。

そのことから私は常日頃、私よりも車ででかける頻度の高い連れ合いに対して、対向車がセンターラインを越えて向かってくることも意識するよう注意していました。

私が先に体験することとなってしまいましたが。

今回の経験から、走行中に対向車が突然向かってきたとしたら、よけるのはまず不可能だと分かりました。

ドライブレコーダーの必要性が高まっていることに合点がいき、今では取り付けることも考えはじめています。

まずは、生きててよかった。


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