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田舎の社交 (1)

No.134(2004.08.11)


私が、過疎化する農村集落における地縁血縁の非常に濃い環境下での息苦しさに耐えられず移住した当地は、いわゆる別荘地です。

この8年間で、老後は自然が豊かな田舎で暮らそうと志向する高齢者夫婦を主体としてこの地の定住者がずいぶんと増えてきました。

もっとも別荘地とは元々人の住む場所ではないので、田舎暮らしブームで定住者が増えたといってもまだまだ人口密度は相当低いです。

「土地の人」という感覚のない遠方の新興住宅地からいきなり地縁血縁なしで当地に移住してきた人は、住んで数年後から寂しさを感じ始めるのが普通です。

移住直後は、夢を実現したという達成感や、きれいな空気、鳥や虫の声、良い眺め等、自然に囲まれて暮らす喜びで、十二分に心は満たされているのです。(断定)

なんせ16年前に田舎暮らしを始めた時の私もそういう状態でしたから。(苦笑)

人間とは勝手なもので、2~3年も経つとかつて喜びであったそれらのことが当たり前になってしまい、今度は田舎暮らしの数々のマイナス面が実感されるようになってきます。

その代表格といえるのが「人恋しさ」なのです。

ここ数年近辺で人恋しさを痛感する時期に入った方々が増えてきたせいか、近所付き合い関係の噂話をしばしば耳にするようになりました。

大都会で暮らしていた方の中には、当地で近所付き合いを初体験することになる方もいるかもしれませんね。

もし、「終の住家」として田舎暮らしを選択したのなら、近所付き合いをする際に慎重にならなければなりません。

なぜなら、同じ定住者といっても比較的近隣の地域から来た方々と遠隔地(特に都会)から移って来た方々とでは、社交(死語?)に対する考え方がまったく異なっているからです。

近所付き合いのほとんどない東京の山の手で育ち、かつその後農村でご近所さんと親戚同様とも思える濃い付き合いをするという両極端の経験をした私は、時々それらの人々の交流を醒めた目で観察している自分に気が付いたりしています。(苦笑)

近隣の地元で暮らしてきた人達の社交感覚は、農村集落のそれとはまた若干違います。

まず農村ほど男尊女卑ではありません。

が、都会よりは大分男尊女卑的なものが多いことも事実ですが、、、

で、付き合い始める手順ですが、恐ろしいくらいに単刀直入で、知り合ったら即飲み会です。しかも配偶者同伴で。(笑)

カラオケがセットになることも多いです。(汗)

私が大嫌いだったサラリーマン時代の上司との付き合い酒に近いなぁ。

要するに都会の社交感覚で言えば非常識なんです。

社交辞令は真に受けられてしまうので特に注意して下さい。(って誰に言ってんだ:笑)

話せば長いこの話題。続きは次回に!


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