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初めて刺された虫 (2)

No.16(1999.11.02)


その虫を初めて見た時は、その目の色、エメラルド・グリーンが奇麗だなと思いました。

蝿(ハエ)の胴を長くして一回り大きくしたようなその虫が虻(アブ)でした。

夏に足の露出している部分がチクッとするので見るとその虻でした。

すぐに手で払いのけると逃げましたが、この時にこいつは刺すんだと知りました。

蚋(ブヨ)とは違って虻は臆病なようで、近づいて来たら手で追っ払っておけば刺されることはありませんでした。

ところがある日、底にスパイクのように針が打ってある磯足袋をはかないと滑ってしまう急斜面の草を刈払機で刈っていた時のことでした。

非常に危険をともなう作業で、しかも夕方のきつい西日も目に飛び込んできていたので相当集中していました。

ふと左手首の脈を取るあたりの痛みに気付きました。

恐らく刺され始めてからしばらく時間が経っていたのでしょう。
見るとそこを虻が刺していて、しかも今刺している場所以外にも数カ所血がにじんでいました。

虻を追っ払ってから口で何度か毒を吸うという応急処置をして仕事を続けました。

その夜は刺されたことを忘れてしまうくらい痛みはありませんでした。

翌日も痛みはなかったのですが、左手の手首から肘までの間が腫れていました。しかし赤くはなっていません。

思わず左右の手を比べる記念写真を撮ってしまいました。


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