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ニコレット・ラーソン

ニコレット・ラーソンのチケット(jpg,22k)
No.47 : 1980/5/27

ドゥービー・ブラザースのマイケル・マクドナルドがバック・コーラスで参加している彼女の曲をラジオで聴いたことはありました。

っという程度の私がこのコンサートに行ったのは当時の仕事がらみででした。

バック・ミュージシャンとして同行していた元リトル・フィートのギタリスト、ポール・バレル氏に承諾してもらいたいことがあったのです。

私は当時彼が販売促進に協力していた米国のあるエレキ・ギター・メーカーの日本代理店に勤めていました。で、雑誌広告に彼が同社のギターを演奏している写真を使おうということになり、英語の不自由な私に通訳しろという命が下り、広告制作担当者と一緒に開演前の楽屋に彼を訪ねました。

先ずは我々の立場を説明し、日本の音楽雑誌に載せる同社の広告に彼が同社のギターを演奏している写真を使いたいと話しました。とても親しみやすい感じの彼は、米国の本社とそれなりの契約をしているので問題はない、と快く承諾してくれました。

英語に不自由な私ですからそこでやめておけばよかったのに、、、

間をもたせようとして前年に亡くなったローウェル・ジョージ氏に対するお悔やみの言葉をかけてしまったのです。すると途端に彼の表情が一転して暗くなり、それからはそれまでの数倍のスピードで話し始めたために私は理解不能状態。

仕様がないので彼の表情を観察しながら適当に相槌を打って誤魔化すしかありませんでした。(冷汗)

私の記憶では彼の言動からは悲しみだけではなく理由は分からないものの怒りのニュアンスも感じられました。

彼が一しきり話してすっきりした様子だったので再び元の話題に戻したところでリハーサルの時刻になり、彼と一緒にステージに向かいました。

撮影について打合わせをしていたところ長身で浅黒い肌の男性が現れいきなり私に対して自己紹介し、さらに大きな手で握手を求められました。その瞬間は誰か分からなかったのですが、彼はベース奏者でやはり元リトル・フィートのケニー・グラッドニーでした。明る過ぎ。

さらに少々経って主役のニコレット・ラーソンが自ら「ジャーンッ!」という感じを醸し出しつつ登場しました。

非常に小柄なその体格が意外でしたが、それよりも自分に注目が集まらないと気がすまないというのが見え見えのその態度に接して私は二三歩後ずさりしてしまいました。(苦笑)

彼女が来たのでリハーサルが始まるため私達はステージを降り、本番まで時間をつぶしました。

事前に私が神経をすり減らしたせいかコンサート自体に関してはあまりよく覚えていません。

ただ聴衆の熱烈な反応に気を良くしたポール・バレル氏が、ギター・ソロの時にステージ上を移動しすぎてギターのシールド(コード)がギターから抜けて音が出なくなる、というご愛嬌な一幕があったことは記憶に残っています。

もしかしたらリトル・フィートの楽曲も演奏したのかもしれません。
(2003.05.13記)

ポール・バレルのピック(jpg,30.6k)
この日にポール・バレルからもらったピック



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